安倍晋三殺害事件
単独犯なのか裏に組織があるのか
吾狼: みなさんお久しぶりです。前回のぷちぷちサミットは4月でしたから、3か月以上あいてしまいましたね。その間、いろいろありましたが、お二人とも体調などはいかがですか?
イシ: 私はほとんど変わらないですね。熱を出すとか、そういうのはまったくない。身体がボロボロなのは歳だからしょうがないし。
幽大: 余輩も特に変わりはないな。神社を訪れる物好きも、ほんの少し戻ってきた。
吾狼: インチキ臭いイタコ体験の申し込みとかも?
幽大: インチキ臭いは余計だ。霊能商売というのはみんなそういうものじゃろ。余輩のやっている商売は、品質の高さで勝負しておる。
イシ: いきなりジャブの応酬ですか。話に入りましょうよ。
今日は8月8日ですね。フジテレビの日だそうで、まあ、そんなことはいいんですが、この3か月で起きたことといえば、まずは安倍晋三殺害事件ですか。
幽大: あれは余輩も予知できんかったな。不意をつかれたわ。
吾狼: 正直ですね、幽大さん。そういうところ好きです。
幽大: 吾狼くんに訊きたいんじゃが、あれを山上某の単独犯行ではないと言っておる連中がいっぱいおるようじゃが、どうなんだね。
吾狼: はいはい。未だに「山上は仕込まれたダミーで、JFK暗殺のオズワルドと同じだ、みたいな説ですよね。ぼくも最初は「おおっと、これはできすぎじゃないの」と違和感を持って、いろいろ調べてみたんですが、いやもう、次から次へと出るわ出るわ。中には「病院の看護師が、安倍氏がスマホを耳にあてながらICUに歩いて入っていったのを見た」なんていう荒唐無稽なのもあるんですが(笑)、……でも、「確かにそれはおかしいよな」と思わされるものもいっぱいあって、今のところ100%単独犯だとは言いきれないかなぁ……と。
イシ: それをひとつひとつ潰していけば、やっぱり単独犯ってことでいいんじゃないか、ってことになるわけだけど……。
吾狼: そうですね。まとめてみると、
- 撃たれた瞬間の映像を見ると、安倍氏が自分から演説台を降りて屈み込んだように見える
- 散弾銃で撃ったというのに、周囲の人が誰一人被弾していない
- 2発目が当たる直前にワイシャツの襟が動いているのはなぜか
- まっ先に駆けつけた近所の開業医の証言ではほぼ即死に間違いないが、あんな玩具みたいな自作の銃で標的を即死させることができるのか
- 救急車で運べば数分で搬送できる救急センターがあったのに、わざわざドクターヘリに中継して数十分かけて搬送したのはなぜか
- 発表された死因が病院と警察で違っている。警察の司法解剖は、左の上腕部から入った1発の銃弾が、左右の鎖骨の下の動脈を傷つけたことによる失血死だというが、現場に残っている血痕はごくわずか
- 一方、病院発表では頸部2か所から入った弾丸が心臓に達する傷を作ったというが、その弾は体内からも現場からも見つかっていない
- 参院選投票日直前というタイミングがよすぎる
- 事件発生後の容疑者の身元発表や経過説明があまりにも早く、手際よすぎる
……といったものですかね。
イシ: どれも「確かにそれはおかしい」と思わせるものではあるよね。
で、この説が導き出す真相というのは、近くのビルの上からプロのスナイパーが狙撃した、と。
幽大: それは飛躍しすぎじゃろ。
イシ: 私もそう思います。違和感を覚えることはいくつもあるんですが、かといって、スナイパーが別にいて、あのタイミングで狙撃した弾が心臓をとらえた、というのは相当無理があると思いますよね。
吾狼: ぼくもそう思うんですが、中にはものすごく細かな分析を試みている自称医師がいたり、完全に否定はできないかな、という気にさせられるんですよ。弾が消えたのはガリウム弾という体内温度で溶ける弾が使われたからだ、とか……。
⇒これとか、ですね。
幽大: ほんとかねえ。なんか無理矢理映画仕立てにしているように思えるなぁ。
イシ: スナイパーが使った銃や弾がどんなものであれ、外傷なしで心臓に弾を送り込むことはできません。それなら、銃ではなく駆け寄った誰かが超小型のスタンガンとか、注射針付きの器具のようなものでショック死させたとかいうほうがまだ分かる。
吾狼: 電磁波兵器が使われた、なんて説もありますね。
幽大: おいおい。ほんとに何でもあり状態だな。
イシ: アメリカで起きたことならそういうのもあるかもしれないけれど、日本ではそこまで統制が取れた殺害計画は不可能だと思うんですよ。普通の警察官レベルには到底無理だし、プロのSPでも難しい。そういうハイレベルな仕事ができる工作員や役者があの場にいたとも思えない。
何よりも、山上容疑者との緻密な連携というのが無理だと思うんですよ。
あとは、山上容疑者の生い立ちね。あれは本当のことでしょう? あれをまるまる利用して組織が利用するというのは無理があるでしょ。
そもそも、山上容疑者を利用した組織があるとしたら、安倍晋三を暗殺する目的は何なのか。安倍なき後の日本、というか世界をどうしたいのか。それが分からないと説明がつかないよね。
結局のところ、いろんな偶然が奇跡的に重なった結果ああなった、と。私はそう思ってるんだけど……。
吾狼: そうなんですよね。
幽大: 吾狼くんもそれでいいのかな?
吾狼: いいのか、って、なんか引っかかる言い方だなあ。はいはい。ぼくも彼の単独犯行だとほぼ結論づけていますよ。今は。
幽大: そうなると、なにか神懸かり的なというか、説明不能な力が働いたようにも感じるわな。山上某に憑いていた背後霊の力とか……。
吾狼: 霊……いつもならツッコミ入れたいところですけど、実はぼくもそれに近いものを感じちゃいますよ。あれだけスポ~ンとドラマが進んだことについては。
安倍なき世界で起きること
イシ: あの事件が単独犯なのかそうではないのかは最終的には分からない、としても、殺されたことは100%間違いない。あれがお芝居で、安倍晋三はまだ生きている、なんてことだけはない、ということはいいよね。
吾狼: はい。それは99.9%そうですね。
イシ: 気になるのは、安倍なき後の世の中が、これまた奇妙な動きをしているように見えることなんだよね。
統一協会問題が久々に表に出てきて、メディアも一斉に政界とカルトの癒着を報じ始めた。まるで山上容疑者が舞台の幕を開けたみたいに。
幽大: そういう流れを望んでいた勢力がある、ということか?
吾狼: 中国やアメリカとの関連でいろいろ論じる人はいますよね。
幽大: CIAとか中国とかロシアとか軍産複合体とか……どういう連中がどういう理由で安倍なしジャパンを歓迎し、そこからどういう方向に向かって行きたいのか、ということか。
吾狼: ええ。でも、どれも内容があまりにも曖昧、もしくはグチャグチャで、スッキリしない論調のものばかりなんですよね。統一協会についても、安倍氏は広告塔だったという見解に真っ向から対立して、実は統一教会にとって安倍氏は天敵だったという論もあったりして。
イシ: 安倍が中国、ロシア、台湾に対してどういう立場だったのか、というのも、正反対のことを言う人がいるしね。結局のところ、安倍はそういうポリシーというか、理念を持っていない、政治家としては特異な性格の人物だったんじゃないかという気もするんだよね。
例えば、今の日本にとって大きな危機問題としては台湾をめぐって中国がどう動くのかということだけど、そういうことにおいても、安倍がいてもいなくても大きな変化はなかったんじゃないかという気がするんだよね。
幽大: じゃあ、この話はこのへんでいいんじゃないか? 安倍亡き後の日本も根本のところでは何も変わっていないしな。
余輩としては、この事件に関しては、あの山上という男の生い立ちのほうに興味がわくんだな。ドラマや映画にしたいと思う者は多いんじゃないか?
イシ: ああ、それはそうですね。小説にしたら深いテーマがいろいろ入れられそうです。平野啓一郎とかの作風に合いそうな……。
吾狼: でも、今の日本では絶対に作れないでしょうね。映画もドラマも。
幽大: だろうな。
イシ: じゃあ、あの事件のことはこのへんにしておきましょうか。