2023/09/03 第8回の2
ラハイナとDEWにまつわる噂と謎
幽大: ラハイナの火災が意図的な地上げ焼き討ち犯罪だということは分かるが、そこにスペシウム光線みたいな兵器が使われたというのはどこまで信用できる話なんだ?
イシ: そこなんですよね。いろんな噂が飛び交っているようですが、そのへんも吾狼さんは詳しいんでしょ?
吾狼: まあ、いろいろ情報は入ってきてますよ。中には妄想や、話を面白くするために盛っているのも混じっていると思いますが、並べてみましょうか……。
まずはさっきも言いましたけれど、普通の火災では考えられないような燃え方をしているんですね。山火事というけれど、ラハイナは山からは相当離れていて、しかも山は燃えていないんです。道路を挟んで隣接した草原は燃えたようですが、草原から火が出たとしたら、道路を越えて燃え広がるようなことはないと。
猛烈な風が吹いていたから燃え広がったという話もありますが、同じ時間帯、海上ではそれほど風は強くなかったそうです。
そして何よりも、山火事や一般の火事ではアルミが溶けるような高温が生じることはないだろう、と。
イシ: アルミの融点は660℃だったかな。アスファルトの融点は150℃くらいだから、クルマに使われているアルミが溶けるほどの高温になっていたなら、そのクルマの周辺のアスファルトも溶けていそうなものだけれど、アスファルトは溶けてはいなかったという報告があるようだね。
吾狼: はい。実際に見ているわけじゃないんで、どこまで信頼できる情報かは分かりませんが、現場の写真を見る限りでは、やはり不自然なんですよね。クルマだけがピンポイントで燃やされているみたいな感じです。
それと、これは凄く興味深いんですが、近隣に点在する富豪たちの別荘の屋根が全部青だったと。青くない屋根や建物などには、
火災の前に次々にブルーシートが被せられたり、青く塗り替えられたりしていた、と。
幽大: ん? それはどういう意味かな?
吾狼: DEWは青色レーザー光を使っているので、青い色のものは反応しにくく、DEWの威力を回避するというんですね。兵器にそうプログラムされているとか、いろいろ……。
幽大: ほんとかね。
イシ: まぁ、ネットで「blue to block the DEW」を検索すると、
これは完全なフェイクだという記事も多数出てきます。セレブたちが青が好きなだけかもしれませんしね。涼しげだし(笑)。周りが全部燃えたのに一軒燃えなかった家の屋根は赤だったとか、ブルーシート云々は以前の台風被害の復旧工事のときにブルーシートをかけていった話と混同しているとか……。
吾狼: まぁ、そうですね。面白い話ほど広がりますからね。
ただ、アメリカの空軍研究所 (AFRL)はすでにDEWを持っていて、
宇宙空間の人工物の数や位置を把握するための2つある主要な監視サイトはニューメキシコ州のカートランド空軍基地とハワイのマウイ島にあるんです。これが関与しているんじゃないか、という話は興味深いですよ。
AIR FORCE MAUI OPTICAL AND SUPERCOMPUTING (AMOS) SITE より
マウイ島のやつは「Air Force Maui Optical and Supercomputing (AMOS)」基地というそうで、宇宙空間の人工物を監視する「マウイ宇宙監視システム (MSSS)」と、研究開発を行う「マウイ ハイ パフォーマンス コンピューティング センター (MHPCC) 」という施設から成っています。
この施設には先進電気光学システム(AEOS)による米国国防総省最大の光学望遠鏡が設置されていて、他にも大気のナトリウム層に光を伝播させて人工星を作り出す「ナトリウム・ガイドスター」なる装置を設置したと発表されたばかりです。